脳梗塞や脳出血で最も危険なのは高血圧で最大値と最小値の差

最大値を5㍉下げれば脳卒中発症率が42%減

これからの季節、脳梗塞や脳出血といった脳卒中に襲われる危険度が増してきます。というのも、秋から冬にかけては、気温の低下や寒暖差が原因で血圧が乱高下しやすい時期だからといいます。

 

脳卒中の一番の危険要因は高血圧です。高血圧になると動脈硬化(血管の老化)が進行し、血管がだんだん細くなっていきます。すると血圧がますます上昇し、それによって動脈硬化がさらに進むという悪環境に陥ります。

 

そして、動脈硬化が進めば脳の血管が詰まったり破れたりして、脳卒中を引き起こすのです。このように高血圧と脳卒中の関係は深く、最大血圧が10㍉上昇すれば、男性で葯20%、女性で葯15%も脳卒中になる人が増え、逆に最大血圧を5㍉下げるだけで、脳卒中の発症率が42%も低下するという研究報告もあります

 

ところで、自分や家族に脳卒中(脳卒中詳しくはこちら)が起こる危険があるかどうかを見極めるには、どうしたらいいでしょうか。脳卒中の発作には前ぶれがほとんどなく、「倒れる」までわからないと思っている人も多いようですが、そうではありません。実は、血圧の数値を見るだけで、発作が起きやすいかがわかるのです。

その一つが、最大血圧と最小血圧の差である「脈圧」です。最大血圧は心臓が収縮したとき、最小血圧は心臓が拡張したときの血圧であり、脈圧は最大血圧から

最小血圧を差し引いた値。太い血管でどれだけ動脈硬化が進んでいるかを表す指標で、負担がかかってることを示します。

 

特に脈圧が60㍉以上ある人は、抹消血管から太い血管まで動脈硬化が進行していると考えられ、脳卒中などの発作を起こしやすい状態と言えます。最大血圧が正

常域血圧の140㍉を超えていなければあまり心配ありませんが、それでも、脳卒中のリスクは高いと考えて、注意を怠らないようにしましょう。

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平均血圧が高い人は動脈硬化の疑い大

脈圧が大きい人は、太い血管の動脈硬化が進んでおり、脳卒中への注意が必要です。では、脈圧が小さければ心配はいらないのかというと、そうともいえません。特に40~50代の人は、上の血圧が正常でも「平均血圧」という指標に問題があれば、脳卒中の危険があります。

平均血圧とは、心臓から遠い末梢血管にかかる一定の圧力をいいます。正確な平均血圧を調べるには特殊な計算方法が必要ですが、以下のような数式で、近似値を出すことができます。(右の表参照)

 

動脈硬化は、末梢血管から始まり徐々に太い血管へと進んで行きます。太い血管が柔軟な人は最大血圧は高くなりにくいのですが、末梢血管はすでに動脈硬化が進んでるかもしれません。

 

そこで、気になる人は、平均血圧を調べて末梢血管の老化度を調べてみましょう。平均血圧は、年齢に比例して上昇しますが、多くの研究によると、健康な人の平均は葯90㍉と言われています。100㍉以上だと、細い血管で動脈硬化が起こっている可能性があります。

 

そして、110㍉以上なら、脳を含めた細い血管で動脈硬化がかなり進行していると考えられます。場合によっては、脳の細い血管が詰まって「ラクナ梗塞」を起こす場合があります。ラクナ梗塞は1.5㌢未満の梗塞で、微小脳梗塞、隠れ脳梗塞と呼ばれ、詰まる場所によっては、手足のしびれやもつれ、ろれつが回らない、言葉が出てこないなどの症状が一時的に出る場合があります。こうした症状が出たら、脳神経科などで検査を受けるようにするといいでしょう。

 

なお、平均血圧最小血圧が高いほど、同様に高くなる傾向があります。最大血圧が90㍉以上の人は末梢血管の動脈硬化が進んでいる可能性が高く、いつ脳卒中の発作が起こってもおかしくないことを忘れないでください。

 

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夢21誌引用

 

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