最新治療法
Q19脳出血は出血箇所を治療せず降圧剤だけで治すことがあるそうですが大丈夫?
脳出血は脳血管が破れて出血する病気。脳血管をからあふれ出た血液が脳細胞を損傷させてしまうと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
脳出血が軽い場合には血腫(出血による血液の塊)が小さく、その血腫は自然に消えてしまいます。したがって、出血量が少ないときは手術を行わず、薬物治療だけの治療となることが多くあります。
その場合、出血の範囲が広がらないように血圧をコントロールすることが最も重要になります。発作後2週間程度は、点滴による降圧剤で血圧を低めに保ちます。
ただし、血圧が下がりすぎると脳の血流が滞り、血栓(血液の塊)ができて脳梗塞を起こす危険性があります。脳出血ではけいれんが起きることもあり、その場合には、けいれんを抑えるために抗てんかん薬を使います。
また、血腫によって脳がむくむ脳浮腫が起こった場合、これを抑えるために脳圧降下剤をつかいます。しかし脳出血が重い場合は、薬だけでは治療できません。頭蓋骨(頭の骨)を開けて血腫を取り除く開頭手術や、体への負担の少ない定位的血腫吸引術などが検討されます。
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Q20脳出血の新治療として、内視鏡で出血箇所を治療する新手術があるそうですが?
脳出血が重い場合には、手術が検討されます。頭蓋骨(頭の骨)を開けて血腫(出血による血液の塊)を除去する開頭手術のはか、定位的血腫吸引術という手術が行われます。定位的血腫吸引術は、頭を手術用のフレームで固定して頭蓋骨に小さな穴を開け、注射器で血腫を吸引する方法です。
最新治療法としては、定位的血腫吸引術のように頭蓋骨に小さな穴を開け、そこから内視鏡を挿入して血腫を確認しながら除去する「内視鏡下血腫除去術」があり、一部の医療機関で行われています。
内視鏡下血腫除去術のメリット(利点)は、通常の開頭はせず局所麻酔(部分麻酔)で行うので血腫をくまなく除去できるということ。開頭手術よりも傷の回復も早いため(定位的血腫吸引術も同じ)、リハビリ(機能回復訓練)に早く取り組めるので、マヒなどの後遺症をより軽くすることが可能になります。
なお、血液が、脳脊髄液で満たされている脳室(脳と脊髄の中に開いている穴)に流れ込んで脳細胞の圧迫が強まっている場合には、脳室ドレナージという方法で血腫などを排出します。
【夢21誌引用 山口三千夫院長談】