風呂上がりの汗、冷や汗、発熱時に出る汗_。

私たちの日常生活のさまざまな場面で汗を書く。汗は体の正常な働きであり、異常があれば汗の出方も変わることがある。その変化を測る機器が4月から病気の診断に使われことなった。

汗には大きく分けて2種類あります。

◇温熱性発汗

体温の上昇を受け、脳の視床下部にある体温調節中枢が働き、手のひらや足の裏を除く全身で汗の量が増えます。汗が蒸発する時に体から熱を奪い、体温を下げる仕組みとなっています。

◇精神性発熱

ストレスなどの精神的刺激を受けることで起こります。精神性発汗では、汗の出る場所が手のひらや足の裏に限られ、汗の量は少なめです。瞬時に汗が出て来る特徴があります。いわゆる冷や汗なんかも、そうです。

地道な開発

信州大医学部メディカル・ヘルスイノベーション講座の大橋俊夫特任教授によると、精神性発汗は、さまざまな病気のシグナルにもなるといいます。例えば、原因不明の原発性局所多汗症では手のひらや足の裏に、日常生活に支障を来すほど大量の汗が出ます。

難病のシェーグレン症候群では逆に手のひらの汗が減り、触覚が低下することが知られています。精神性発汗で出る汗の量を測ることにより、こうした病気の診断や薬など治療の評価ができないか_。

 

大橋さんは1981年、そのため「発熱計」の開発に坂口正雄・長野高専名誉教授と着手。98年にはベンチャー企業を設立し、2007年には地元企業に事業を引き継いだ。研究用として研究機関や化粧品メーカーなどで使われてきたが、昨年末、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会で、この発熱計を使う診断に4月から公的医療保険適用が決まりました。

 

計測では、直径2㌢の「カプセル」を手のひらに貼り付けるだけ。空気をカプセルに送り、皮膚に触れる前後の湿度の差から単位面積あたりの発汗量をはじきだす。「精神性発汗には自律神経がかかわっており、パーキンソン病などで自律神経傷害の状態を調べるにも発汗計は役立つ」と大橋さんは言います。

医療以外の分野への応用

一つは居眠り運転の早期検出システムで、うとうとすると手のひらの発汗量が急減する減少を使おうというアイデアです。もう一つは、自動車運転で求められる認知機能の判定技術への応用。危険を察知する能力が落ちると手のひらの発汗量も減る可能性があるといい、高齢者の協力を得て実験するなど、実用化に向けた研究に取り組む。

大橋さんは「質問票などで認知機能を調べる現在の方法は、科学的根拠が不十分だと思う。未解明の部分が多い「汗の生理学」の研究を通じ社会への貢献を目指す同志を募りたい」語る。

岩手日報より引用

みなさんもいかがですか、同志になって社会貢献されては!

 

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