脳卒中の芽は50代から増えだす
脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称です。
それぞれの病気についてはあとで詳しく書きますが、総じて脳の血管がつまったり破れたりして、脳細胞が部分的に障害されることによって起こります。脳卒中は1951(昭和26)年から1980(昭和55)年ごろまでは、日本人の死因の第一を占めていました。
しかし、治療法の進歩に加えて血圧コントロールなど予防に力が入れられるようになり、1981(昭和56)年以降は死因1位の座をガンに明け渡し、2011(平成23)年には、ガン心臓病、肺炎に続く4位になっています。
それでも脳卒中の患者数は減っていません。厚生労働省「平成26年患者調査」によると、患者数は117万9000人にのぼります。そして1年間に、葯35万人が新たに脳卒中にかかり、11万4000人が死亡しています。脳卒中は再発率も
高く、福岡県久山町の調査によると、最初に発症したときから1年以内に葯13%、5年以内に葯35%、10年以内に葯51%もの人が再発しているのです。脳卒中は65歳以上の高齢者に起こりやすい、と考えていると思います。確かに
脳卒中は60代から80代の人に多発しており、そのピークは70代です。しかし、実は脳梗塞や脳出血の原因となる脳卒中の芽(脳内の小さな血栓&出血)は50代ごろから脳内にできてることが多く、これによって将来、本格的な脳
卒中を発症することは珍しくありません。最近脳卒中の芽は40代の人の脳内にはほとんど見られなくなったものの、50代ごろから増えだし、60代で5割、70代で8割の人に見られます。つまり、脳卒中は決して人ごとではなく、誰もがなる危険性をもっているのです。
脳卒中が怖いのは、たとえ突然死を免れてもマヒなどの後遺症が残り、発症を機寝たきりになってしまうこと。寝たきりの原因はの1位が、脳卒中なのです。今では突然死の危険性が減ったとはいえ、再発率が高く後遺症や寝たきりを招く点で、脳卒中は最も深刻な国民病といえます。
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アテロームや原性は重症化しやすい
では、脳卒中それぞれの病気について説明します。
脳梗塞
脳卒中の中で最も多く、脳血管が血栓(血液の塊)によってつまり、その先に血液が流れなくなって脳細胞が壊死する病気。命をとりとめても多くの場合、マヒや言語障害などの後遺症が現れます。
脳梗塞はその原因や血管のつまり方によって、さらにラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の三つにわけられます。
ラクナ梗塞は、脳の深部の細い血管が血栓でつまり直径数ミリの小さな穴(ラクナ)のような脳梗塞が出来るものをいいます。症状が現れないこともありますが、増えると認知症などを招きます。
アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い血管が血栓でつまるものをいいます。動脈硬化(血管の老化)が進んで血管壁に粥状の塊(アテローム)が生じ、これを覆う膜が破れてできた血栓によって起こります。首の血管(頸動脈)にできた大きな血栓が流れて、脳の太い血管をつまらせることによって起こり重症化することがあります。
心原性脳梗塞栓症は、心臓内にできた大きな血栓が血流に乗って脳に運ばれ、脳の太い血管をつまらせるものをいいます。心臓に心房細動(不整脈の一種)があると起こりやすく、重症化します。
脳出血
脳の細い血管が破れることによって起こります。最大の原因は高血圧で、動脈硬化が進んで脳血管がもろくなっていると、高い血圧によってやぶれやすくなるのです。
日中の活動時におこることが多く、頭痛、めまい、吐き気、手足の脱力感といった症状が現れます。
クモ膜下出血
脳の表面は、クモ膜という薄い膜で覆われています。脳の太い血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破裂し、脳とクモ膜の間(クモ膜下腔)に出血するものをいいます。脳動脈瘤ができる原因は不明ですが、遺伝が関係してると言われてます。
ところで、先に延べたように脳卒中が起こる前には、脳内に脳卒中の芽ができいる段階があります。
脳梗塞の芽は「微小脳梗塞」、脳出血の芽は「微小脳出血」といいます。そのほかクモ膜下出血を起こす「末破裂脳動脈瘤」もあり、これらを総称して「無症候性脳血管障害」といいます。
つまり、症状がなくても、MRIなどの検査を行うと、微小脳梗塞や微小脳出血が見られるのです。こうした「小さな血栓&出血」が脳梗塞や脳出血を招く最大の危険要因になることがわかってます。次の記事で詳しく説明します。
こちらは、国立がんセンターの「✙脳卒中リスクチェック」なります、気になる方は診断してはいかがでしょうか
引用元:夢21誌