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血圧が変動しやすい隠れ脳梗塞体質
みなさんは、脳梗塞や脳出血は「血圧の高い人の病気」と高をくくっていませんか。高血圧でない人も安心はできません。日頃から減塩するなど人一倍気を使い、血圧もいたって正常なのに脳卒中を起こしたという人が少なくないからです。また、血糖値もコレステロール値も高くないのに、脳卒中を起こしやすいという人もいます。
こうした人たちは「隠れ脳卒中体質」と呼ばれてます。隠れ脳卒中体質の人たちは、脳の血管の特徴的な構造のせいで、脳卒中を起こしやすといわれています。ふつう、血管は大動脈を中心に徐々に分かれていき、最終的には末梢血管となって体のすみずみまで酸素や栄養を届けられるようになっています。
ところが、脳内の血管には、太い動脈からいきなり直径1.5㍉ほどの細い血管(穿通枝「せんつうし」という)に分かれている部分があります。隠れ脳卒中体質の人には、この部分が詰まったり破れたりすることが多いのです。
動物実験をすると、高血圧のラットには変化がないのに、隠れ脳卒中で脳卒中を起こしやすい体質のラットは、こうした太い動脈に直接つながっている細い動脈の部分が詰まることがわかりました。血圧の変動が頻繁に起こると血管壁の筋肉が発達し、それが内側に広がるため、血管内がどんどん狭くなって血液が通らなくなり、脳梗塞を起こすのです。
これを防ぐには、大動脈につながる細い血管に、強い圧力に耐えられる柔軟性をつける必要があります。具体的には、有酸素運動や睡眠の質を上げることなどが有効です。隠れ脳卒中体質は、60代の4人に1人該当するといいます。そこで、自分が隠れ脳卒中体質かどうかを見分ける方法を紹介しましょう。
①イスに座って安静にして血圧を測る ②一度立ち上がってから座り、再度、血圧を測る
この二つの最大血圧に15㍉以上の差があれば、隠れ脳卒中体質の疑いがあります。ふつう、立って座る程度の運動では、血圧はほとんど変わりません。ところが、隠れ脳卒中体質の人は、わずかな刺激だけで血圧が変動してしまうのです。こうした血圧変動を起こす人には、隠れ脳卒中体質の疑いがあるのです。
また、寝る前の血圧より、朝の血圧の方が15㍉以上高い場合も、隠れ脳卒中体質の疑いがあるといえます。一度の測定で隠れ脳卒中体質と考えるのは早計ですが、15㍉以上の血圧差が何度も現れるときは、医師に相談してください。
夢21誌引用