切り口方で予防が可能
爪は指先を保護するとともに指の腹側からの力を支持して指先の機能を高めています。
爪がピンク色に見えているのは生爪(爪床・そうしょう)から水分が供給されることで透明になり爪床の色が透けて見えるためです。ですから伸びて爪床から爪が離れると白くなります。
つまり水分が爪床から供給されなければ白くなるので、白くなる原因は爪水虫(爪白癬)だけではないのです。爪床と爪の間に水分のやり取りを阻害する原因があれば白くなりますので、爪の白濁が気になる時には検査(真菌鏡検)のできる医療機関で診察してもらうことが重要です。
爪のトラブルで多いのが湾曲爪、陥入爪ですが、原因の多くは深爪です。深爪、斜め切りをすると爪の横(即爪郭)が指の腹側からの力に耐えられず盛り上がってきます。爪が伸びてくると爪が盛り上がりをを乗り越えられずに内側に曲がり、巻き爪になります。
さらに爪が刺さるると陥入爪になります。刺さった状態で力が加わり続け、湿った状態や感染が加わると出血しやすく痛い肉(爪囲肉芽・そういにくげ)ができてしまいます。陥入爪、爪囲肉芽は爪の切り方でほとんどが予防できます。
深爪をしないこと、角を落とさないこと(スクエアカット)が重要で、踏み込んでも爪の角が少し前に出るくらいの長さが最適です。
爪切り時に割れてしまうのは、風呂上がりなど爪がしっとりしている状態で切ること、片側から切り始めて真ん中まで来たらいったん止まって反対側から切り始め、真ん中でつながるように切ることである程度予防できます。
いったん肉芽ができてしまうと自己処理では改善は難しく、時には手術療法を要しますので悪化しないうちに医療機関を受診しましょう。