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普段、何気なく「とりあえず生で!」と頼んでいるそのビール。実は、人類の文明が開かれるよりも前から存在していたことをご存知ですか?

ピラミッドの建設から中世の修道院、そして日本の明治維新まで、ビールは常に人類の歴史の特等席にいました。今夜は、そんなビールの壮大でちょっと面白い歴史の旅へご案内します。

1. じつは「パン」より先に生まれた?(紀元前4000年〜)

ビールの起源は、いまから約6000年以上前、メソポタミア文明(現在のイラク周辺)のシュメール人まで遡ります。

驚くべきことに、人類は「パンを作るために麦を育てたのではなく、ビールを飲むために麦を育て始めた」という説が有力なんです。放置していた麦の粥に偶然野生の酵母が入り込み、自然に発酵してできた「不思議な麦のジュース」。これがビールの始まりでした。

 

古代エジプトでは、ビールは単なる嗜好品ではなく「液体からできたパン(栄養源)」であり、時には労働者の給料として支給されていました。 当時の壁画(上の画像)を見ると、当時のビールは濾過(ろか)されておらずドロドロだったため、殻やゴミを吸い込まないようにストローを使って飲んでいたことが分かります。

2. ビールの歴史を大きく変えた3つの大改革

時代が進むにつれ、ビールは今日の私たちが知る姿へと進化していきます。特に大きな転換期となったのが以下の3つです。

ホップの登場(中世ヨーロッパ)
11〜12世紀頃

それまでは薬草やスパイス(グルート)で味付けされていましたが、ドイツの修道院などで「ホップ」が使われ始めます。これにより、ビール特有の心地よい苦味と香りが生まれ、さらに防腐効果によって長期保存が可能になりました。

ビール純粋令の制定(ドイツ)
1516年

バイエルン公国のヴィルヘルム4世が「ビールは、大麦、ホップ、水のみを原料とすべし(後に酵母が追加)」という法律を制定。粗悪なビールを排除し、ビールのクオリティを劇的に高めました。これは現在も生き続ける世界最古の食品食品品質法律です。

科学技術の爆発(産業革命期)
19世紀

ルイ・パスツールによる「低温殺菌法(パストリゼーション)」の発見

カール・フォン・リンデによる「アンモニア冷凍機」の発明

これにより、冬しか作れなかったすっきり爽やかな「ラガービール」が、年中どこでも大量生産できるようになりました。

 

3. 日本にビールがやってきた!

日本にビールが初めて伝わったのは江戸時代。長崎の出島にやってきたオランダ人によって持ち込まれました。当時の日本人(蘭学者など)の感想は、「苦くて、馬の尿のようだ」と、なかなか散々なものだったそうです。

しかし明治時代に入ると、横浜や北海道で本格的なビール醸造がスタート。冷たくて喉越しの良いビールは、日本の食文化(特に塩気のある和食や焼き鳥など)と抜群の相性を見せ、瞬く間に国民的飲料へと上り詰めました。

まとめ:今夜の1杯に、歴史のロマンを添えて

  • 始まりはメソポタミアの偶然の産物

  • ピラミッドの労働者も、中世の修道士もみんな飲んでいた

  • 科学の進歩のおかげで、今日もキンキンに冷えた一杯が飲める

数千年の間、人類が「もっと美味しくしたい!」と情熱を注ぎ続けて形を変えてきたビール。

今夜グラスを傾けるときは、ぜひその壮大な歴史に少しだけ思いを馳せてみてください。いつものビールが、もっと深く、美味しく感じられるはずです。

それでは、今夜も1日お疲れ様でした。乾杯!

 

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