会津田島祇園祭(あいづたじまぎおんさい)

歴史

会津田島祇園祭は、鎌倉時代の文治年間(1185年頃)、時の領主長沼宗政の祇園信仰により、この地に祇園の神(牛頭天皇須佐之男命)を居城鎮護の神としてまつり、祇園祭の制を定め、旧来よりの田島鎮守の田出宇賀神社の祭りと共に行われた事が起源とされています。この祭りは古くより『西の祇園社、中の津島社、東の田出宇賀社』と言われ日本三大祇園祭の一つと称し伝えられています。

明治12年より田出宇賀神社の祇園祭日に併せ、隣地にまつる熊野神社祭礼を祇園祭の格例に準じて行うことが定められました。
祭りの賄い献立にふきを多く使用することから、俗に「富貴祭=ふきまつり」とも呼ばれています。また御神酒に濁酒を使用することから「どぶろく祭り」、屋台の運行が激しいことから「けんか祭り」とも呼ばれます。

お党屋制度(国指定重要無形民俗文化財)

会津田島祇園祭は、お党屋制度とよばれる現在9組の当番お党屋組が、1年間党本の家を支えて祭事を担当する制度によって運営されています。当番お党屋組を中心に、去年のお党屋組「渡し」と、来年のお党屋組の「請取り」3組が織り成す祇園祭は1年がかりの大行事です。この820余年の伝統が、昭和56年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

開催期間  2018年7月22日~24日  【1日目】子供歌舞伎屋台上演・大屋台運行/16:00~22:30頃  【2日目】七行器行列/7:50~8:30頃、神輿渡御~還御/10:30~14:00頃、子供歌舞伎屋台上演・大屋台運行/16:00~22:30頃  【3日目】太々御神楽/13:00~15:00 ほか
開催場所  福島県南会津町 田島地域
交通アクセス  会津鉄道会津線「会津田島駅」から徒歩1分、または東北自動車道「白河IC」・磐越自動車道「会津若松IC」から車約1時間
問合せ先  南会津町観光協会田島観光センター 0241-62-3000、南会津町役場商工観光課 0241-62-6200
ホームページ http://www.minamiaizu.org/gion
7月22日 宵祭
 神事

神社での例大祭の後、本陣(当番お党屋本)にて夕御饌神事が行われます。

屋台運行

夕方からの呼び物は大屋台。大勢の子供たちを乗せ、祇園囃子を奏でます。子供歌舞伎の上演とともに、町内を押し歩いてゆきます。

7月23日 本祭
 榊迎え

夜が明けないうちに、渡御神輿台に取り付ける榊となる楢の若木を党本へ迎えます。来年のお党屋組がこの役にあたります。

神輿洗い

渡しと請取りのお党屋組が裃姿で、社殿から二台の神輿を出し、清水でもって拭き清めます。
七度の使い裃姿に草履履きで手水を使い、社頭にて参拝を6度繰返し、7度目は本陣に戻り、七行器行列の先頭で参向し、お党屋への御神幸を願う最高の尊者として参拝します。
七行器行列七行器は「ナナホカイ」と呼び、7つの器のことを言います。7つの行器に濁酒の御神酒・赤飯・鯖を盛りおさめ、お党屋組中両親持ちの男女がこれを奉持して奉献する神事であり、祭礼中の重儀(最高の儀式)として奉仕されます。

早朝(7時50分ごろ)当番お党屋組本陣を出発します。選ばれた行器の奉持者を始め、その介添として親戚縁者。男子は裃着白緒草履、婦人既婚者は丸髷、未婚者は島田髷を結い、江戸褄、その外晴着盛装をし、七度の使いを先頭に警固(氏子総代)・神馬・行器の奉持者・介添・氏子総代・当番お党屋組員、外親類縁者共に恒例百余名の行列となります。
七行器行列は、田出宇賀神社への奉献神事ですが、現行は熊野神社への奉献行列も続き、行器は3つを加え十行器を数えます。
お仕度触れ波に千鳥模様の裂羽織、5色の襷掛け、中には派手模様の単浴衣、女帯を前結び、頭へ1枚板の冠を載せ太紐で結わえ、右手に赤房付の軍配を持ち、草履履きでの出で立ちで、歌舞伎の六方を踏む様な大仰な身振りと共に「お仕度触れ」と「お立触れ」とを大声で触れ歩きます。神輿発輿

発輿に先立ち「神輿祓式」「神輿遷座式」が行われ、午前10時頃出立のお神輿の巡幸を迎える。明治中頃まで行われていた大名行列が描かれた田出宇賀神社神輿渡御の古図(江戸時代の版画)が残っています。
保露花

神輿渡御に供奉する保露武者から授かる保露花と呼ばれる造花。古くは保露花を煎じて飲むと疫病除けになると言われ、現在でもこれを縁起物とする風習が残っています。
盛砂

当番お党屋組境にてお神輿を出迎える。「盛砂」を撒き清めながら本陣前へ先導します。
神輿奉遷

当番お党屋組本陣の前庭に奉遷します。
神輿前神事

本陣前庭のお神輿前にて、前後のお党屋組、当番お党屋組、党本は夫婦揃って参列し神事を行います。
神橋

神輿前神事後、神橋を渡り本陣神棚前へ参入します。神棚拝礼後、童子によるお手掛、お茶、煙草盆の接待を受けます。
御鉢米神事

「請取渡し」とも言われ、3組党本は夫婦揃って参列し、卜占と予祝神楽の御鉢米を撤じ、拝辞を奉上し神事を行います。

町内諸掛御使いの事

町内の警固および諸準備整いたる旨のお使いがあり、古くより代々「本家笹屋渡部家」がこの役に当たります。この使いの後、お神輿の巡幸となります。

御旅所・力杖休御

現在は、御旅所が5箇所、力杖休御が1箇所となります。

東町御旅所「室井家」では、泥鰌汁での接待を、中町力杖休御「黒川家」では屋敷前庭にての祓いを慣例とします。

屋台運行

田島の大屋台は、子供歌舞伎の移動舞台で、前半分が舞台、後半分が楽屋となっており、芸場(歌舞伎を披露する家の前)への順回路をめぐって、世話人同士のかけひきが続きます。舞台は軌道修正を繰り返しながら「オーンサンヤレカケロ」の子どもたちの声援を受けて、屋台をひき回します。興は乗って古来のけんか屋台をしのばせ、祭りの雰囲気を盛り立てます。

祇園太鼓

祇園絵巻の幕開けを告げる華やかな演奏です。

 7月24日 太々御神楽祭

 

 

 

 

帰座ノ神事

「お棚こわし」とも言い、党本の神棚を取り払います。

諸道具引譲り

帰座ノ神事終わりて、来年のお党屋へ使いをなし、諸道具一切を譲り渡します。

御幣奉鎮ノ神事

 党本持参の神幣を本殿内に奉鎮し、祇園祭成就奉賽神事を行います。

太々御神楽奉奏

 祇園祭の後祭は午後1時に、神楽殿にて始められる氏子の楽人により継承される田出宇賀神社一社相伝の出雲流太々御神楽、天地開闢・鎮悪神・岩戸開など13座の神舞の奉奏を以って終了となります。

🚅お出かけください。

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